戦前の料理本がすごい
やっと寒さが和らいでポカポカ、お散歩日和。
そんな日に訪ねた谷中の古書店で手に入れた1冊の料理本。
こんな本です。
発行は・・・
昭和10年!
昭和10年というと、第二次世界大戦前、日中戦争も昭和12年からなので、これは戦前の料理本という事に。
戦前の料理といわれるとなんだか質素なイメージだよなぁ・・・。などと思いつつ。
パラパラとめくってみると・・・
意外な内容にびっくり。
まず何ページかをご覧下さい。
魚のすき焼き鍋、豚の串焼き、五目焼きそば、鯉こく。
豚肉の角煮、惣菜鍋、マカロニーのトマト煮、鶏肉の変り焼き。
三つ葉の月見蒸、たらのカレー煮、海老の鬼がら焼、鉢蒸あんかけ。
豚肉の竜田揚、鴨の焼肉丼、鍋焼きうどん、あんかけうどん。
蟹の炒飯、山家鍋、野菜三色飯、酒のダンプリング。
なんだかとっても豪華です。 そして広告がきれい。
調理方法も、とても親切に書いてあります。
”鮭のプデング。鮭のプデングは肉で作つたよりもかるく、子供などによろこばれるものです。”
これは家庭料理の域なのでしょうか。。。
”肉饅頭のソースかけ。これは独逸風の肉料理ですが、ソースに工夫を加へた日本人の嗜好にぴつたり合ふ美味しいものです。”
他にもたくさんの料理、全部で二百数十種が掲載されています。
中には、これはスパゲティナポリタンの前身では?と思われるうどん料理などが出てきて面白い。
今で言う、和・洋・中が、“日本料理・西洋料理・支那料理”と区分けされ、案外、ベシャメルソース系、カレー系の料理が多く、バターもふんだんに使っています。
うさぎ肉の料理も載っているんですよ。(兎肉鍋)
今の私が読んでも参考になる料理本です。ただ、分量の単位が見た事のない漢字でよくわからない。ま、勘で作ればなんとかなるでしょ。。。
そして今回、料理と同じようにちょっと驚いたのは、広告です。さっきも、どのページの下の方にも色鮮やかな広告がありました。
ホルモン応用って、何だかこわい。。。
昭和初期、みんながこんなものを作ったり食べたりしていたとは思いませんが、なかなかモダンで豊かな時代だったのでしょうか。
日本史の授業では、この時代の事について詳しく勉強しなかったので、すごく意外でした。
たま~に見ていた朝ドラの「ごちそうさん」で次々と豪華な料理が出てきて、「そりゃないだろ。」と思ったりしていましたが、本当なのかもしれませんね。
MADE IN NIPPON(JAPAN)
何となく時代が移り変わる雰囲気を感じます。
おしまい。長々と失礼しました。
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